空蒼の海―日記

鹿島アントラーズ応援。家事に追われつつ、仕事したり、歌ったり、何か書いたり、いろいろと。

紙吹雪問題について考えたこと

もう今更感あるけど、私なりにいろいろ考えたのでまとめておきます。

 

鹿サポの間では柏戦直後から、「浦和戦で紙吹雪をやるらしい」と話題になり、反対意見が噴出して、主にTwitter上で争いになっていました。

クラブに問合せが複数行ったそうで、有料サイト上で「自粛していただいています。ご協力お願いします。」という形で公式の見解を発表。

 

そもそも、紙吹雪は鹿島の伝統であったそうです。私自身はその頃はテレビで見ていただけなので、当時どのような雰囲気だったのかはわかりませんが、みんなが納得してやっていたようです。

応援歌にも「舞い上がる紙吹雪~♪」とあるくらいなので、一般的な応援だったのだと思います。

しかし、2007年の浦和戦で大量の紙がピッチに舞い込み、試合の妨げとなってしまって、その後自粛という形を取った、ということのようです。

 

今回の浦和戦はそんなことを知ってか知らずか大論争になりましたが、当日紙吹雪は決行されました。

 

結果的に、ピッチには入っていなくてよかった。

個人的にはきれいだと思ったし、何より子どもたちがとても楽しそうで嬉しかった。

大量にまとめて降ってきて痛かったり、エロ漫画やレシートが紛れていて呆れたりしましたが…できればもっと品のいい紙を撒きたいなぁ。お金かかるのはダメだし、軽い紙だとピッチに入りやすくなっちゃいますかね。

 

反対派の中心意見になっているゴミ拾いについては、特に問題にならないと思いました。拾っていて嫌そうな人もあまりいなかったと思います。

でも、みんなの合意ではなくサプライズという形で撒いた以上、企画者は責任を持ってゴミが落ちていないかを最後にチェックしてほしいです。そこがちゃんとしてさえいれば、「全部自分で拾え」とか言うのは違うかと。

 

個人的に嫌だと思ったのは、紙吹雪が声を出すことの妨げになっていたことです。

合意の上でやったわけではないから、慣れていない特別なことだから、ということもあると思います。

写メ撮って後ろ向いてるくらいなら選手コールしたほうがいいと思ったし、文句言ってて一時的にでも応援のテンション下がった人がいるのも残念だったし、足元が紙の山で跳ねられなくなってる人がいたのも、チームにとっていいことなのかわからなかった。

あの日のゴール裏の雰囲気はすごくよかったけど、紙吹雪がなければ、あるいはみんなが納得してできたなら、もっともっとよかったかもしれない、と思う気持ちもあります。PK与えたシーン、足元片付けてて見てなかった人とかもいたし…サポーターも集中していないとチームは悪い方向に行くと思っています。

 

でも、そういう個別のこと以上に、過激な反対意見にはもっと根本的なサポーター心理があるような気がします。

つまり、あれだけ反対があって、公式も見解を出しているのに、その声を無視して強行するという姿勢というか、無視されているってことそのものに腹を立てている人が多いのではないでしょうか。

そもそも、今回の「サプライズ」って在り方自体、一部のコアサポ以外は蚊帳の外、一緒にやる側ではなくて「サプライズを仕掛けられるお客さん」。

ひとつになって応援しよう、と口ではいいながら、「結局仲間に入れてくれないのね」という感覚も私にはありました。

 

今までも、インファイトは他のサポーターを「使って」応援している、という印象があります。

 

もし、

「強かった鹿島の伝統である紙吹雪を、優勝を占う戦いであり、入場者数の見込まれる浦和戦でやりたいと思います。
過去にピッチに舞い込んだことがあり自粛していましたが、風向き等十分に考慮し、ピッチに入れないよう配慮した上で決行したいと思います。
クラブにはすでに連絡し、許可をいただいています。試合後はゴミ拾い等にご協力をお願いします。
みんなでスタジアムを盛り上げ、選手をサポートしましょう!」

などとサポーター全体に告知していれば、それなりに支持されただろうし、ここまでの対立は生まれなかったのではないでしょうか。

 

一緒に応援するファミリーだと言うものの、本当はそう思ってくれていない。そんな悲しみが怒りに変わっている面が紙吹雪問題の裏にあると思います。

 

それから、「昔はやっていたじゃん」をそれを知らない人たちに振りかざすのは酷だと思います。

もちろん何も知らないままに批判するのはよくないと思いますが、今の価値観でものを判断をするのは自然なことです。その価値観に合わせた説明をせずに「昔はやっていたからいいんだ!」では納得できるはずもないと思います。

それに、問題があって途切れたのだから、復活させるときには「今回は問題を起こさないための配慮をする」という説明が絶対的に必要なのではないでしょうか。また、迷惑をかける可能性がある限り、クラブに連絡するのも義務的なことだと思います。

 

私の立場はピッチに入らなければやりたい、でもみんなで一緒に、クラブにも許可をもらってやりたい。サプライズとかではなく、一緒に参加させてほしい。みんなで一緒に雰囲気を作って初めて一体感が出るものなのではないか、ということ。

 

あと、肯定派も否定派も相手の 意見を聞く気がないから寂しくなります。お互いに理解しようとしない家族は離散してしまいます。

最近来るようになったサポーターも多く、その誰もがSNS上で簡単に声を上げられる。逆に「情報が入らない」「情報を伝えられない」ことにもすごく敏感にストレスを感じるようになっている時代です。

誹謗中傷もあるかもしれないけれど、インファイトがインターネットを使ってサポーターに情報を公開し、またこちらの声も聞く姿勢を示してくれたら、もっといい雰囲気が作れるんじゃないかな。

 

私もスタジアムに行くようになってから1年半くらいの超新参サポです。なので、あまりクラブの歴史は分かっていないかもしれないし、インファイトのことやゴール裏事情も私の知らないことばかりだと思います。

それでも真面目に応援のことを考えているつもりだし、クラブのことも勉強して知りたいと思っています。何より、アントラーズを勝たせたいと思っています。だから、一番結束が求められる状況で、サポが分裂するのを見るのは嫌だった。

 

まだ4試合残っていて、優勝の可能性があります。どちらかが口を閉ざすのではなく、どこかで上手く妥協して一致団結する道が開けたらいいと思います。

 

【追記】

Twitterでよく見られた意見と、それについての考えも記録しておきます。

 

「試合前からお祝いみたいで変。勝ってからやりたい」
→これは「伝統」という言葉で納得してもらえるかもしれません。昔やっていて、一体感やいい雰囲気を作って勝っていたなら、それを再現しようとするのは悪いことじゃないと思います。

 

「浦和戦だけ特別視するのは変。やるなら全試合やろう」
→これはとても微妙だな…と。私も去年ならそう思っていたかもしれないけれど、やっぱり浦和戦って特別な雰囲気がある。
観客数も普段よりだいぶ多いし、選手のサポートをする姿勢は当然毎試合同じなのだけれど、この試合ではサポーター同士の見栄や意地があるのもわかる気がするのです。なんというか、負けたくない。
でも、声で負けていたら意味ないので、もっと声を出すため、気持ちを盛り上げるための手段になるなら、浦和戦で特別なことをしてもいいと思います。